原発通信599号 2013/12/11

¡ No Pasarán !安倍を倒せ!奴らを通すな!


写真はスペイン市民戦争[1936年7月 - 1939年3月]から。人民戦線政府は、¡ No Pasarán !(奴らを通すな)というスローガンを掲げ、ファシズムと闘った。

 汚染水対策に名案なし

「トリチウム除去は打つ手がないから、いずれ海洋投棄」──そのへんの酔っ払いオヤジが言っているのではありません。その筋の「専門家」「有識者」と称する連中が雁首並べて“考え抜いて”決めたことが、これです。メンバーのほとんどが原子力マフィアにつながる連中です。
 昨日の本通信で紹介した与太雑誌『歴史通』、それに倣っていえば「汚染水、海に流すだけなら“バカでもできる”」です。これが「専門家」「有識者」の現状です。
 産経新聞は「汚染水問題は東京五輪が開催される7年後の平成32年度の末までにほぼ収束するとしている」と書いていますが、あくまでも「対策を着実に進めること」ができたらということが大前提。その前提が難しい現状に頬かむりして、7年後の収束を強調するのはミスリードと言わざるをえません。
 でも、実際問題として、海洋投棄のほかに選択肢はないのでしょう。それができなければ、えんえんと「頑丈な」汚染水タンクをつくり続け、現在の敷地で足らなくなったら拡張して(もう誰も住めなくなったのですから当面は可能でしょうが)いくしかないのですから。

 この期に及んで「原子力平和利用」

 そんな現状にもかかわらず、安倍政権は、原子力委員会を「原子力平和利用委員会」などと名称変更して、改編すると言い出しています。3.11を経験し原子力産業の闇が暴かれてきたこの期に及んで、「原子力平和利用」という、手あかにまみれた名を持ち出してくる神経がそもそも信じられません。
 経済学者の伊東光晴さんが近著『原子力発電の政治経済学』(岩波書店、P.58)のなかで、「東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻──班目春樹ゼミ」の紹介記事を雑誌『外交フォーラム』2008年3月号で読んだときの驚きに触れています。
 班目はその中で「もう原子力工学はやめる」と書き、自分のゼミのテーマを「包括的核実験禁止条約(CTBT)の効果と限界」と「米印原子力協力が国際核不拡散体制に与える影響」であると紹介しているいうのです。この2つのテーマは工学が対象とする分野ではないと伊藤さんは指摘します。
 斑目はこの記事のなかでこんなふうに語っていたそうです。
「結局安全なものをつくるだけではだめだって思うようになったんです。原子力が社会に受け入れられるには、技術を安全に使うための制度づくりが不可欠なのに、日本ではこの分野が決定的に遅れている。だから私は、(略)工学からきっぱりと独立して…原子力に関する社会制度の設計に力を注ぐのだ」と。
 つまり、これからは“布教”に専念するのだと。そうしてその2年後に、原子力安全委員会委員長の役に就き、そしてその翌年、フクシマを経験することになるわけです。班目が「原発は爆発しません」と言い切った8時間後、福島原発は爆発しました。
 伊東さんは同書のなかで言っています。
「班目さんは『安全なものをつくるだけじゃだめだ』と言われる。しかし、安全なものは作っていない」と。

 「いろんな立場の人に怒り続けてほしい」

 本日付の東京新聞に、「反省するだけならサルでもできる」の「日光猿軍団」が原発事故の影響などで今年いっぱいで閉園に追い込まれたという記事が掲載されていました。
 同軍団を興した間中敏雄校長は、原発再稼働を企んでいる安倍晋三らや原発マフィアに対して、「『そんなことは猿でも分かる』と人間はよく言うが、自分たちはそんなに賢いのかねえ」と憤っています。
 そして彼は言います。「放射能がなければ軍団はつながった。おれは怒り続ける。汚染された地域で子育てしている人、避難している福島の家族…。いろんな立場の人に怒り続けてほしい。でないと、原発はなくならないべ」と。
 火炎瓶テツさんではありませんが、「そうです。怒りをもっともっと」なのです。
 さまざまな人が様々なところで、怒りを忘れず声を挙げ続けていくこと、そうしない限り奴らの息の根を止めることはできないのです。

 安倍晋三が次に狙うもの 
「共謀罪」新設と教育委員会の「格下げ」―首長の隷属化

 安倍晋三はどこまで調子づくつもりなのでしょうか。
「特定秘密保護法」に続き、さらにそれを補完するものとして、「殺人など重要犯罪で実行行為がなくても謀議に加われば処罰対象となる「共謀罪」創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案」を来年の通常国会に提出する方向で検討に入ったとのことです。
 さらに、敗戦後、教育の民主化政策のなかで設置され、たとえ建て前上ではあっても「一般行政から独立させ、戦後教育行政の象徴でもあった教育委員会」が、首長に「隷属」する機関に格下げされようとしています。
 昨日の本通信で、8日放送のNHK大河ドラマ『八重の桜』での山本覚馬の発言──「教育の名で、国家に縛るな」というセリフを紹介し、第1次安倍内閣下での教育基本法改悪について記しましたが、今度は「教育委員会」にまで手をつけようとしているのです。
 大阪の橋下は、こうした動きを歓迎し、民間人学校長の採用を来年度も続ける予定だとか。セクハラ問題など何かとお騒がせな民間校長ですが、「外部人材が組織に入るメリットは計り知れない」とほざいているようです。「教育は国家百年の計」と言われます。「今日、明日」という目の前の損得しか考えたことのない連中に、教育を任せる危うさは、山本覚馬を持ち出すこともありません。

「…そして、彼らが私を攻撃したとき私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」(マルティン・ニーメラー)

 今日付けの孫崎享さんのツイッターです。
「治安維持法は当初天皇制、私有財産の否定を行う共産党対象。その弾圧後自由主義者、宗教関係者、さらには右翼で体制側でない人間に」
 ナチス時代の牧師、マルティン・ニーメラーの言葉を今一度思い起こしたいものです。

原子力委:「業務縮小で存続」報告書了承 政府有識者会議
毎日新聞 2013年12月10日 22時02分
【◇「原子力平和利用委員会」などの名称変更も
 原子力政策の「司令塔」だった原子力委員会の見直しを検討する政府の有識者会議(座長=森田朗・学習院大教授)は10日、業務を縮小して存続するよう求める報告書を了承した。政府は「原子力平和利用委員会」などと名称変更して存続させる方針で、来年の通常国会に設置法改正案を提出する。
 報告書によると、新委員会は従来通り内閣府の審議会とし、国会同意の委員3人(うち1~2人は常勤)で構成。長期計画(原子力政策大綱)の策定は政府のエネルギー基本計画に委ねて廃止し、プルトニウム利用計画の確認など原子力の平和利用と核不拡散▽放射性廃棄物の処分計画など核燃料サイクル政策の技術評価▽福島原発事故対応など原子力利用に関する重要事項──に業務を絞る。事務局に電力会社など利害関係者の出向を原則認めない】

*原子力委員会の在り方見直しのための有識者会議委員
座長:森田 朗 学習院大学法学部教授
小幡純子 上智大学法科大学院教授
橘川武郎 一橋大学大学院商学研究科教授
古城佳子 東京大学大学院総合文化研究科教授
佐藤行雄 公益財団法人日本国際問題研究所副会長
城山英明 東京大学大学院法学政治学研究科教授
寺島実郎 一般財団法人日本総合研究所理事長
増田寛也 東京大学公共政策大学院客員教授
山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事・研究所長
吉岡 斉 九州大学副学長

なにか名案ないかと世界に聞いたが、そんなものあるはずもなく──
汚染水が止められたら、その他の対策がうまくいったらと、「たられば」が大前提
汚染水:対策盛る報告書公表 トリチウム対応で部会新設へ
毎日新聞 2013年12月10日 20時15分(最終更新 12月10日 21時55分)
【東京電力福島第1原発の汚染水問題で、政府の汚染水処理対策委員会は10日、汚染水の発生や漏れを抑える対策を盛り込んだ報告書を公表した。予定通りに実施された場合、2020年度末に残る課題は、浄化装置で取り除けない放射性物質トリチウムの対応としている。対策委は、トリチウム水の海洋放出を視野に入れた部会を新設し、今年度内に方向性を示す方針。
 汚染水は壊れた原子炉建屋に1日400トンの地下水が流入し、溶融燃料に接触して増加している。対策委が福島第1原発周辺の地下水の動きを解析した結果、大半は、地中に浸透した雨水に由来していた。そこで、報告書は、地下水の流入を防ぐため、建屋周辺を囲む凍土遮水壁を設置するほか、地表を最大2平方キロ舗装することを明記。また、原子力規制委員会の田中俊一委員長から「放射線は舗装ぐらいでは減らない」との指摘を受け、敷地内を除染しながら舗装するとしている。
 このほか、貯蔵タンクの構造の二重化▽放射性物質の吸着などによる土壌や海水の浄化▽津波対策のための防潮堤建設▽建屋破損部分の止水▽トレンチ(配管などが通るトンネル)からの高濃度汚染水の除去──にも取り組む。
 今回の対策は、国際廃炉研究開発機構(東京)に国内外から寄せられた技術780件を基にしているが、トリチウム除去につながる抜本策はなかった。
 このため、有識者8人で構成される部会では、除去技術の実現性のほか、海洋放出によるさまざまな影響も協議する。対策委員長の大西有三京都大名誉教授は「対策の一部に支障があっても全体として機能する観点でまとめた。だが、何が起こるのか分からない。努力を続けないといけない」と】

*汚染水処理対策委員会(2013年10月25日現在)
委員長西 有三 関西大学 特任教授、京都大学 名誉教授
委員:
 出光 一哉 九州大学大学院 教授
 西垣 誠  岡山大学大学院 教授
 米田  稔  京都大学大学院 教授
 山本一良   名古屋大学 理事・副総長
 大迫 政浩 (独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター長
 藤田 光一  国土交通省国土技術政策総合研究所 研究総務官
 丸井 敦尚 (独)産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門 総括研究主幹
 山本 徳洋 (独)日本原子力研究開発機構(JAEA) 再処理技術開発センター 副センター長
 小林 正彦 (株)東芝 原子力事業部 技監
 石渡 雅幸  日立GEニュークリア・エナジー(株)シニアプロジェクトマネージャ
 鎌田 博文 (一社)日本建設業連合会 電力対策特別委員会 委員
 相澤 善吾  東京電力(株) 代表執行役副社長
 松本 純    東京電力(株) 原子力・立地本部福島第一対策担当部長
 糟谷 敏秀  経済産業省 資源エネルギー庁汚染水特別対策監
 中西 宏典  経済産業省 大臣官房審議官(エネルギー・技術担当)
規制当局:山本 哲也  原子力規制庁 審議官
オブザーバー
 
増子 宏    文部科学省研究開発局 原子力課長
 渥美 雅裕  国土交通省水管理・国土保全局 河川環境課長
 廣木 雅史  環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課長
 高坂 潔   福島県原子力専門員
 鈴木 一弘  技術研究組合国際廃炉研究開発機構 専務理事

汚染水「32年度内に収束」 政府対策委が報告書 
産経新聞 12月11日(水)7時55分配信
【対策を着実に進めることで、汚染水問題は東京五輪が開催される7年後の平成32年度の末までにほぼ収束するとしている。浄化装置で除去できないトリチウム(三重水素)処理については抜本的な解決策はないとし、専門家による作業部会を設け、個別に対策を検討した上で年度内に報告する方針】

「汚染水対策の追加実施求める」報告書
NHKTV12月10日 19時21分
【福島第一原発の汚染水対策として、国は汚染水増加の一因になっている地下水の流入を防ぐため、建屋の周囲およそ1.4キロにわたって、地盤を凍らせる凍土壁や汚染水が海に流出するのを防ぐ護岸沿いの壁の建設などの対策を進めています。
こうした対策は、完了するまで時間がかかり、有効性も不透明なため、国の有識者会議は、これらを補う追加の対策をまとめました。
それによりますと、汚染水漏れを防ぐ壁を二重にしたタンクの導入や、汚染水がたまっている建屋への地下水の流入をコンクリートで止める工事など5つの項目はできるだけ早く実施すべきとしています。
また敷地内に降った雨がしみ込んで、汚染水が増えるのを防ぐため、敷地の広い範囲の地表面をアスファルトなどで覆う対策が必要だとして、工事の方法を検討するよう求めています。
一方、汚染水から除去することが難しい放射性物質、トリチウムの処理については、タンクへの貯蔵や海への放出など複数の対策について、専門家の検討チームによる議論を年内に始め、それぞれの対策のリスクや技術的な課題といった評価を、今年度中にまとめる方針を示しました】

5、6号機も廃炉、地元に説明へ 東電、福島第1原発で
東京新聞2013年12月11日 02時56分
【東京電力が福島第1原発5、6号機を廃炉にすることを来週の取締役会で決議し、国に届け出る方向で最終調整していることが10日、分かった。今週中にも地元の福島県双葉町と大熊町に説明し、了解を得たい考え。その後、福島県にも説明した上で手続きに入る。
 炉心溶融(メルトダウン)や原子炉建屋の水素爆発が起きた1~4号機は昨年4月に廃炉が決まった。5、6号機の廃炉により福島第1は発電施設でなくなり、国内の原発は48基となる。(共同)】

猿が好んで口にする木の芽や葉は放射性物質の濃度が高く、野山の散歩ができない
放射能なければ軍団つながった 年内閉園「日光猿軍団」
東京新聞2013年12月11日 朝刊
【東京電力福島第一原発事故で外国人調教師が帰国するなど先行きの見通しが立たなくなった。軍団を興した間中(まなか)敏雄校長(65)は「『そんなことは猿でも分かる』と人間はよく言うが、自分たちはそんなに賢いのかねえ」と、事故後も原発を続けるような動きに憤る】
【一一年三月、原発事故が発生すると、軍団にいた大慶大生八人が事務所にやってきた。「家族に帰ってこいと言われた。ごめんなさい」。間中さんは「自分が親でも同じことを言っただろう」と引き留めなかった。
 アランさんにも変化が現れた。今年の正月を間中家で過ごし、三月から軍団で働く覚悟を決めていたが、応援していたはずの母親から待ったが掛かった。
 「放射能の問題がある。あなたが子を産む時のことを考えると…。そう母から言われた」。国際電話で間中さんの妻清子さん(58)に事情を明かしたアランさん。その後、次第に電話に出なくなった。アランさんが軍団入りしたら、大慶大からの留学が再開するかもしれない。そんな願いも断たれた。
 原発事故で、猿たちの暮らしも激変した。猿が好んで口にする木の芽や葉は放射性物質の濃度が高く、野山の散歩ができない。調教師不足で新しい猿を教える余裕がなくなり、ショーはベテランの猿頼み。今夏、高齢の猿が疲労で好物の果物にすら手をつけなくなり、閉園を決めた間中さんは、いま思う。
 「放射能がなければ軍団はつながった。おれは怒り続ける。汚染された地域で子育てしている人、避難している福島の家族…。いろんな立場の人に怒り続けてほしい。でないと、原発はなくならないべ」】

秘密保護法を通したら今度は「共謀罪」・「教育委員会骨抜き」
☆共謀罪新設
政府、共謀罪創設を検討 組織犯罪処罰法改正で 
2013/12/11 00:45   共同通信
【政府は10日、殺人など重要犯罪で実行行為がなくても謀議に加われば処罰対象となる「共謀罪」創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を来年の通常国会に提出する方向で検討に入った。政府関係者が明らかにした。
 共謀罪が広く適用されれば、国による監視が強化される恐れがある。機密漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法に続く国権強化の動きといえる。秘密法成立で言論・情報統制が強まる不安が広がっているだけに、論議を呼ぶのは確実だ。
 政府は、2020年の東京五輪開催に向けてテロ対策の必要性が高まったと判断している】

☆教育委員会「格下げ」 首長の「補助機関」に
教育委員会制度:首長に教育行政の決定権限を 中教審
毎日新聞 2013年12月10日 12時15分(最終更新 12月10日 13時18分)

【教育委員会制度改革を議論している中央教育審議会教育制度分科会(分科会長=小川正人・東京大名誉教授)は10日、首長を教育行政の決定権限を持つ「執行機関」とする答申案を了承した。教育長は首長の下で実務を取り仕切る補助機関、教育委員会は首長への勧告権を持つ「特別な付属機関」に再編する。近く下村博文文部科学相に答申するが、中教審内部に「結果的に首長の権限を強める」と懸念の声があり、与党内にも異論があることから、地方教育行政法などの法改正に向けた党内協議や国会審議で曲折も予想される】
【答申案によれば、執行機関となる首長は、大綱などの大方針を策定するほか、議会の同意を得て教育長、教育委員を任命する。
 教育長は首長の事実上の「部下」に当たる補助機関となるが、「地方教育行政の責任者」の立場を維持するため、首長からの指示は「教育長の事務執行が著しく適正を欠く場合」や、いじめなどで「児童生徒の生命、身体の保護のため緊急の必要がある場合」など「特別な場合」に限定する。教委は、首長や教育長の判断に政治的中立性の確保などで問題がある場合、勧告できるほか、首長が教育長に指示を出す場合は意見を付けることができる。
 一方で、首長を執行機関とする案には異論も多いため、教委を執行機関とする現行制度に近い考え方についても付記した。
 首長を執行機関とする考え方は、これまでの議論で「教育長を責任者とする政府の教育再生実行会議の提言と方向が違う」との指摘があるほか、与党内にも反対意見がある。今後、来年の通常国会での法改正に向け与党内で議論が始まるが、首長の教育行政への過度な関与をどう防ぐのかなど、より具体的な制度設計を巡り論戦が予想される。
 教委改革は、深刻化するいじめ問題などへの迅速な対応を求める世論に応える形で、今年4月、教育再生実行会議が、非常勤の合議体である教委に代わり、常勤の教育長を地方教育行政の責任者とする改革方針を提言。中教審で議論が引き継がれたが、選挙で選ばれていない教育長の権限を強めることへの反対や、「予算編成や訴訟で最終的に責任が問われるのは首長だ」などの指摘があり、首長を執行機関とする案が浮上。政治的中立性の確保の点で懸念があることから、教委を執行機関とする現行に近い案と並行して議論が進められてきた】

教育委員会制度:教委格下げに懸念 現場「中立性に疑問」
毎日新聞 2013年12月10日 23時06分(最終更新 12月11日 00時50分)
【政治家である首長の関与を避けるために一般行政から独立させ、戦後教育行政の象徴でもあった教委は「格下げ」された形だ。市長が主導権を握ってきた大阪市や全国学力テストを巡って知事と県教委が対立した静岡県からは、首長が決定権限を持つことで政治的中立性や教育内容の一貫性が損なわれるとの懸念が出ている】
【橋下市長は答申案について「ものすごい大改革だ。責任の所在をあいまいにしてきたのが日本の教委制度。役割分担が明確化し、組織として機能するようになる」と歓迎】
【橋下市長は「外部人材が組織に入るメリットは計り知れない」と来年度も20人を採用する予定】
【答申案によれば、教委はいわゆる「審議機関」の位置づけで首長への勧告権は持つが、市教委幹部は「市長が暴走した場合、止められるか疑問だ」と声を潜める。制度上の歯止めがなくなり、トップダウンの加速は必至】
 ◇中教審の答申案の骨子
・教育行政の決定権限を持つ「執行機関」を首長とする
・教育長は首長の下で実務を取り仕切る「補助機関」とする
・現行制度で執行機関だった教育委員会は「特別な付属機関」とし、基本方針などを審議し、必要な場合は首長や教育長に勧告できる
・首長は原則として教育の基本方針を策定するほか、議会の同意を得て教育長、教育委員を任命する
・首長から教育長への指示は、緊急の必要がある場合など「特別な場合」に限定する

▶社説 [秘密法13日公布]疑問を一から検証せよ
沖縄タイムス 12月11日(水)8時10分配信
【国会での相次ぐ強行採決。アリバイづくりとしかいいようのない形骸化した地方公聴会。二転三転の政府側説明。バナナのたたき売りのように成立直前に次々に発表された、法律にない新たな組織】
【正当性を欠いた法律は廃止するか全面的に見直すしかない】

【たとえ首相であっても「オレを信じてくれ」では担保にならない。それが特定秘密保護法の持つ怖さである】
【安倍首相は「一般の方が巻き込まれることは決してない」と指摘した。この言い方にも落とし穴がある。「一般の方」とは誰をさすのか】
【憲法が保障する思想・表現の自由とは、何よりも、反対する自由、抗議する自由、政府の政策にノーを言う自由のことを言うのである】

‏孫崎 享 ‏@magosaki_ukeru

治安維持法と現代(保坂正康氏との対談を経て)。 治安維持法は当初天皇制、私有財産の否定を行う共産党対象。その弾圧後自由主義者、宗教関係者、さらには右翼で体制側でない人間に。今 秘密保護法は公安警察の内調が取りまとめ。警察権力(以下、有料記事)

秘密保護法:諮問会議 来月発足へ人選 長谷部氏ら中心に
毎日新聞 2013年12月11日 07時45分
【政府は10日の閣議で、国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法を13日に公布することを決めた。これを受け、特定秘密の指定・解除や、公務員らの適性評価に関する運用基準の策定作業に着手するため、「情報保全諮問会議」(仮称)のメンバーに長谷部恭男東京大大学院教授(憲法)らを起用する方向で調整に入った。長谷部氏をはじめ国会審議で同法の必要性に理解を示した有識者を中心に人選を進めており、陣容が「政権寄り」に偏る可能性がある。
先の臨時国会で、長谷部、春名、前田3氏は衆院国家安全保障特別委員会で与党推薦の参考人を務め、特定秘密保護法の必要性に理解を示している。このほか、政府は内閣官房の「情報セキュリティ政策会議」委員からの起用も検討している。一方、日本弁護士連合会や日本新聞協会、日本民間放送連盟は同法への反対を鮮明にしており、報道、法律分野の人選は進んでいない】

NHK新会長、どう選ぶ 松本氏、抗議の退任か
朝日新聞デジタル2013年12月11日05時00分
【NHK経営委員会は10日、既に退任を表明している松本正之会長を次期会長候補の一人と決め本人に伝えたが、松本氏は固辞した。経営改革で実績をあげながら、安倍政権内から会長交代論も出る中、退く意志を固めた松本氏。関係者の間では「嫌気がさした」「抗議の辞任では」と推測が飛び交う】
【あるNHK関係者はこう解説する。「成果を出しているのに、安倍政権や関係者から引きずり降ろされると感じたのだろう」】
【安倍政権は先月、NHK会長の任免権を持つNHK経営委員会の新委員に、哲学者の長谷川三千子氏ら首相に近いとされる4人を送り込んだ。原発やオスプレイなど最近のNHKの報道内容が偏っているとの批判も政権内から漏れており、新委員の人事は会長交代への布石とみられていた】
 ■政治的中立、守る人を
【NHK会長は放送法で、業務執行を総合的に管理し処理する、と定められている。副会長ら役員の人事権を持ち、番組の編集権も会長に属する。職員約1万人を率いる公共放送トップの権限は絶大だ】
【第1次安倍政権時、経営委員長に就いた古森重隆・富士フイルムホールディングス社長(現会長)が、経営委で「選挙中は歴史ものなどでいつも以上に注意を」と発言。番組編集への介入との批判を浴びた】

猪瀬、年明けまでもつか?
 何年も前、共産党員、労働組合員として戦後の激動期をくぐり抜けてきた人から、「戦後の混乱期、後に最大の労働組織のトップに上りつめることになる人と会うことがあり、その人の事務所を訪ねドアを開けると急な来客に驚き、机の上に積んであった札束の山を風呂敷で隠した」という逸話をお聞きしたことがありました。その話を聞いた時、いつの世も人というものはカネに弱いものだなと感じたものです。それともう一つ印象的だったのは、人が今まで見たこともない金額のカネを動かすことの「難しさ」というものでした。
 猪瀬はこれまで「既得権者」の何千億円だのという「税の無駄」を追及し、規制緩和を進め、新自由主義者=市場原理主義者のお先棒を担いでいましたが、はたして「現金」というものを見たことがあったのかどうか。
 話を聞かせていただいた方が言っていました。「人というものは現ナマの山を見ると変わるものなのだね」と。
 ▶「1年間給与返上」でバレた猪瀬都知事の「生活に不安なし」
日刊ゲンダイ2013年12月10日 掲載

「大金びっくり」貸金庫へ、猪瀬氏「前日用意」
読売新聞 12月10日(火)20時57分配信

猪瀬知事にボーナス345万円
NHK News12月10日 13時15分

猪瀬知事:説明また変遷「借用証は仲介者郵送」 都議会
毎日新聞 2013年12月10日 21時18分(最終更新 12月11日 00時40分)

【◇「発言変わってない」に議員から「えー」との声も
 ▽5000万円の「借用証」は徳洲会側からではなく仲介者から郵送されてきた▽貸金庫は資金提供を受ける前日に借りた──と述べ、これまでの説明と食い違いを見せた。反発を強める議会側は13日の本会議閉会後も総務委を開き、知事に出席を求める予定】
【この日は共産、民主など6議員が登壇し、約5時間審議。猪瀬氏は5日の代表質問で「(5000万円の)大金を目にして驚き、貸金庫にしまわないといけないと思った」と答弁したが、この日は5000万円を受け取る前日の昨年11月19日に「入れ物がないから」と妻に貸金庫を借りるよう指示したと述べた】
【5000万円を徳洲会側に返却した後に戻ってきたとされる借用証は、徳洲会側と猪瀬氏を仲介した新右翼団体「一水会」の木村三浩代表から郵送されたと説明。これまでは「徳田毅衆院議員の事務所から返してもらった」と説明していたが、この日は「徳田議員の秘書から木村氏が受け取り、郵送してきた」と】
【また、利害関係者からの利益供与を禁じた都の服務紀律違反への認識を問われると「副知事時代の話だがおわびする」と述べる一方で「(徳洲会とは)利害関係が一切ない」と弁明。「基本的には(私の)発言は変わっていない」とも発言】