原発通信 253号2012/07/07発行
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 【左上】雨にもかかわわらず官邸前に詰めかける人々【右上】読売新聞への抗議プラカード 再び万余、15万の市民が首相官邸前を埋め尽くし、再稼働反対を 午後5時10分、抗議行動開始までまだ間があるなあと思って、東京メトロ国会議事堂前駅下車。すると、改札口前には機動隊。首相官邸前抗議行動が始まって以来初めて駅構内に機動隊が入って出入り口を規制しています。3番出口は入構のみで封鎖。4番出口に回されます。階段を上がって外に出ると、もう人垣です。「前のほうはいっぱいで行けません。後ろに回ってください」との主催者のアナウンス。流れに逆らいながらも、いつもの位置へ。旗を立て、仲間の到着を待ちます。警備の第7機動隊、これまでとは違い、がっちり固めています。記者会館屋上にはテレビカメラが据えられています。ポツリポツリと降っていた雨、だんだんと梅雨の雨に変わってきましたが、抗議に集まってくる人々の数は、ますます増え続けています。先週あたりから、年配の人たちが多く見受けられるようになりました。 「野田という最低の男、許せない」「ウソばかりついている」と、隣りで年配の女性が声を挙げています。その隣りでは、報道しない読売新聞に対して、“手作りの読売新聞”(写真参照)をつくり、抗議。読売新聞への抗議のプラカードがちらほらありました。マスコミへの不信感は大きいです。 6時、「シュプレヒコール!」の合図で、「再稼働反対!」のコールが巻き起こります。この間も続々と人が詰めかけ、歩道はもう立錐の余地もありません。車道側に広げろ!との抗議があちらこちらから。しばらくすると1車線分「歩道」が広がります。それでも人が──。 今日は、先週の「不手際」はしないとばかりに、機動隊もなかなか広げません。「再稼働反対!」のコールが続くなか、また少し広がります。そうして7時20分ごろ、再稼働反対の抗議が続くなか、後方の列がどっと広がり、先週同様、道幅いっぱいに。警察は、あわてて阻止線を張ります。それ以上は前へ(首相官邸へ)行かせないとばかりに機動隊が立ちはだかりますが、その前も、ばらばらに人々が出て、抗議の声を挙げています。 雨という条件でしたが、15万の人々が、野田首相の再稼働決定を許さないと首相官邸前に詰めかけてきました。マスコミも、以前とは打って変わり、結構な数で取材していました。8時、予定通り、抗議行動は終わり、帰途に。
昨日の抗議行動に先週に引き続いて参加した田中康夫さんの発言だそうです。 【先週に続いて国民の一人として参加をしている田中康夫です。前回、この集会が終わった後、私が帰る時に1人の警察官の方がセフティーコーンを片付けながら小さな声で「再稼働反対」と。わたくしと目があったら、彼ははにかんでいました。そして私の事務所のスタッフも、おそらく別の警察官の方が、同じように小さな声で再稼働反対と話していました】 その警官、本心からか、あれだけ耳のそばで2時間も「再稼働反対!」と叫ばれていればオウムになっての仕方がないかとも思うのですが、本心ならいいですが。
ところで、7月7日付朝日新聞デジタル版に、「原発抗議行動、人数どっち? 主催者と警視庁発表に大差」の見出し。前回6月29日の20万人に対して、警視庁発表は1万7千人。今回は2万1千人です。なぜそんなに違いがあるのかという記事なのでしょう(私、有料会員になっていませんので、そこから先は読めないのですが)。何言っているの、そんなこと言わずものがなでしょうと思うのは、“古い人間”なのでしょう。“天下”の朝日新聞がそんな記事、書くようになったのですから。時代は変わりました。昔を知っている人、もういなくなったということなのでしょう。でも、前回よりも警視庁発表が増えているのはなぜ? 「言うに事欠いて」というのは、まさにこういうことを言うのでしょう ▶「木質がれきはヒ素とクロムが入っているから埋められない」(細野環境大臣) 言うに事欠いてという言葉がありますが、まさにこういうことを言うのでしょう。細野環境大臣兼原発「再稼働」大臣、宮城県では、県議会が自民党から共産党までが一致して自県でがれき処分できるといっているのに、なぜ、北九州だけでも140億円もかけて「広域処理」しなければならないのだとの問いに、いろいろ理屈をつけるのは結構だけど、よりによってというか、何考えているのかと。大臣のオコタエというと、がれきには、ヒ素とか、クロムとかが入っており、かつてもいろんな事故がおきた。土壌汚染、周辺環境に影響を及ぼす可能性があると。 がれきにどのくらい含まれているかというデータはと聞かれ、「その~、一般的な量ではあまり言えないですよ」だって。しかし、どうしても広域で処理したいそうです。なぜ、…。なぜ、北九州…。 宮城県議会では、横浜国立大学名誉教授の宮脇昭さんが提唱するがれきを有効利用=埋め立て=「命を守る森の防潮堤」をつくろうという動きがあるのです。 がれきを埋め立てるとガスが発生して云々ということに関して、宮脇先生、キッパリといいます。 【基本的にはあり得ないです。問題があれば私が生態学者として責任を持ちます。私も命をかけて、60年のノウハウをかけて、世界各地で、1700カ所すでに、全て成功している。もう今すぐ、来年どころか今年中にできるはずです】と。 宮脇先生の本、以前から関心を持って読んでいました。森について興味があったものですから、先生の「潜在植生」論を興味深く読んでいたのです。3.11以降、がれき処理の問題で、先生、何か言うだろうなあと思っていたら、何か月か前に毎日新聞で取り上げていましたので紹介しようと思っていたのですが、次々とニュースが出てくるもので、後回しになっていました。宮脇先生の実践、なかなか興味深いです。横浜の臨海部での植樹の例などすごいものがあります。先生の本、是非一読を、お勧めです。 http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2086.html 「首相官邸前での反対デモなど原発を巡る状況を考えれば」と県自民党議員。 ▶原発再稼働:口閉ざす佐賀知事 やらせメール発覚後 【「やらせメール」問題が1年前に発覚して以降、佐賀県の古川康知事の原発を巡る発言が鳴りを潜めている】そうです。【『国が一元的にするべきだ」とほぼ丸投げ』状態だそうです。 それもそうなのですが、【自民党県議団の石丸博会長は「知事の言っていることは『やらせ』の前後で変わっているわけではないが、首相官邸前での反対デモなど原発を巡る状況を考えれば発言に慎重になる」】と。 【首相官邸前での反対デモなど原発を巡る状況を考えれば】と、官邸前での抗議行動、影響を与えているようです。もっともっと声を挙げ続けていきましょう! なんと卑怯な利己主義、なんと軽い男=元武黒フェロー ▶国会事故調報告書 規制当局、事業者の虜 監督機能崩壊、根底に ◇吉田所長に「官邸がグジグジ。注水を止めろ」──昨年3月12日、東電幹部 海水注水で、菅首相が横やりが入ったので中断しただの、吉田所長が無視して注水をつづけただのの件ですが、毎日新聞のこの記事によると、やはり、ヒラメ人間の武黒フェローが、茶坊主よろしく振る舞ったことが始まりのようです。 しかし、この武黒という男、何度か本通信でも取り上げていますが、品がないというか、すべて人のせいにして立ち振る舞い、何かあっても、俺じゃない、俺じゃないと言い訳して生きてきたのでしょう。今、東電の子会社の社長しています。 事の重大性など、自分の保身と比べたら、まさに「No problem!」なのでしょう。恐ろしいことです。いつの間にかこんな人間に我々の命、すべてが握られていたのです。 【国会事故調の報告書は、昨年3月12日、東京電力福島第1原発1号機への海水注入をめぐって、第1原発の吉田昌郎所長(当時)と、官邸に詰めていた東電の武黒一郎フェロー(同)がかわした電話での生々しいやりとりを再現している。 武黒氏「おいおい、(海水注入を)やってんのか。止めろ」 吉田氏「何でですか」 武黒氏「おまえ、うるせえ。官邸が、もうグジグジ言ってんだよ」 吉田氏「何言ってるんですか」 報告書によると、吉田氏がそう言うと、電話は切れた。吉田氏は「(東電)本店が止めろと言うんだったら議論できるが、全然わきの官邸から電話がかかってきて止めろという話なんで十分議論できない。四の五の言わずに止めろですから」と困惑したという。吉田氏は最終的に独断で海水注入を継続した。2人の会話中、菅直人首相(当時)は海水注入で再臨界が起きる可能性について内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長らと協議中だった】 これで、菅のせいになり「菅リスク」という言葉まで生まれたのですが、この武黒がいい加減な奴だからということが一番の問題だったのだと、「普通」は考えると思うのですが…。止めたのは武黒です。 ▶検証・大震災:再稼働、迷走の既定路線 大飯原発再稼働までの民主党内閣内部を検証。最初は玄海だったが…、という内幕ものです。 ▶秘密会議の深層/1 原燃、六ケ所存続へ画策 再処理・直接処分、併存でとりまとめ 【再処理と使用済み核燃料を捨てる直接処分を組み合わせた「併存」を選択すれば再処理事業を維持できるが、すべて捨てる「全量直接処分」は日本原燃の破綻を意味する】 【小委員会には元々、再処理に反対し全量直接処分を支持するメンバーもいる。併存であれば、反対派には全量再処理からの転換に、推進派には再処理継続の結論に映る。まさに同床異夢だ】 ▶秘密会議の深層/2 コスト1000億円、「留保」葬る 『「いかなるビジネスも3年、5年止めればつぶれてしまう」。4月6日、小委員会の裏で原発推進派だけを集めて開かれた秘密会議で経済産業省・資源エネルギー庁の吉野恭司・原子力政策課長は「留保」への危機感をあらわにした』 【「留保なら日本原燃の社員は辞める」と他の参加者が同調すると鈴木代理は「分かっている」】 【留保を選択肢にしなかった理由は「留保という言葉が出た瞬間、マーケットが(破綻へと)動く可能性があるから」。日本原燃の経営問題が国策を左右した形】 そう、これを読んでも、原発問題、難しい問題ではありません。科学でもなんでもないのです。カネそれだけです。でも、されどカネですが…。だから、…。 ▶電力に求められる3要素 読売新聞の「原発が必要なわけ」【「量」だけでなく、「コスト」と「質」も加えた3要素が重要】というお話です。 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶大飯原発:モニタリングポストの警報作動 落雷の影響か 【7日未明、大飯原発(福井県おおい町)の中央制御室で、モニタリングポスト表示の異常を示す警報】 【同町内に設置されているモニタリングポストのうち、同原発から13キロにある1か所から、同日午前0時48分のデータが送信されなかった】 ▼トンデモナイ話 福島第一原発事故、「人災が原因」、地震で津波の前に壊れたこと否定できないがと聞かれ 本当は、書くの嫌になってくるのですが、奴、いや都知事閣下の言動、書きとめておかねばと思い、書き留めておきます。 【全くその通りだと思う。(略)数年前に地質学者が調べて建言したのに「1000年前の津波がまた来るか」と放っておいた。緊急の時に炉を動かす臨時の電源も津波の及ぶレベルに置いたために、ああいう破滅をした。すべて情報を精緻に心得ずに無視した人災だと思いますな】 で、【報告書では、津波の前に地震で施設が損壊した可能性も否定できないとした】と聞かれ、 【それは分かりませんね。否定できないってことは、完全に肯定してるわけじゃないんだろうから。ただ日本の建築工学からいったら、あのぐらいの地震で非常に重要な危険度のある構築物が崩壊するとは、私は考えられませんな】 本当に、この人には、整合性ということは無意味、無価値なのでしょう。でも本人は、言葉を大事にしているとか何とか、妄想家ですから。 http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20120707ddlk13010292000c.html
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