原発通信 272号2012/08/03発行
仙谷、言うに事欠いて再稼働に反対する人々を「論理の飛躍がある」だと! 毎日新聞8月2日付と本日3日付で、再稼働黒幕男・仙谷由人がトンデモ発言をしています(下記参照)。 再稼働に反対し、子どもたちそして未来を守れと立ち上がった人々のことを、見下したように、奴らの言っていることは「論理の飛躍がある」などといい、挙句は「貧しくてもろうそくで生活しようとの議論があるのは分かるが日本人の多くはそうでない」などと、それこそ「論理の飛躍」でもってけなしています。 経済界からたぶらかされた仙谷が、消費税増税で頭がいっぱいな野田首相の耳元で、原発再稼働を吹き込み、「私の責任で再起動を決断する」などと大見得を切らせたのです。どちらが「論理の飛躍」で原発再稼働を決断したのだと、のしをつけて返したい。この6月8日、事故調査も、検証も、そして対策までお座なりのまま、それこそ「命がけの飛躍」をもって大飯原発3,4号機の再稼働を認めたのは誰だ、と問いたい。 仙谷は「直ちに子どもたちが危険だというような考えがありますが」などといって、再稼働に反対している人々が危機煽りをしているかのように言っています。事故直後に、枝野や原子力マフィアの連中は「直ちに影響はありません」と繰り返し言っていましたが、「直ちに影響がある」となったら事はすまなかっただろうにと思うのです。急性放射線障害以外は関係ないとでもいうのか。 3.11、そして福島第一原発事故=「レベル7」を見てしまった人々は、同時に、原子力マフィアのいい加減さをも見抜いてしまったのです。そして、勉強をもしていったのです。仙谷は、人を見下したように、お前ら下々はわかりもしないくせに口を出すな。俺たちが決めるのだと高圧的です。波が打ち寄せる砂浜に立って、足元の砂が徐々に波によってさらわれ、立っていられなくなるまで、この人はわが身に何が起こっているか自覚することはないのでしょう。 ▶国会囲む「原発ノー」の声 政治家たちに届いているか 【1970年代に、警察官僚として過激派対策を担った亀井静香・衆院議員(無所属)。29日は、抗議活動側で賛同のスピーチをした。亀井氏は「この運動は日本を変える」と強調する。「団体が強力に指導した60年代、70年代の運動と、今回はまったくタイプが違う。地のうねりみたいなもんだな。私は幕末の『ええじゃないか運動(世直しを求めた民衆運動)』と一緒だと思っている】と。 そして、【誰が見たって原発には不安がある。政治家も官僚も、電力会社の金が流れてきた原子力ムラへの依存体質から抜けきれないだけだ。この運動は、そういう現状に変革を促す神の手だ」。さらに「既成政党は、この新しい流れに対応できない。野田佳彦首相は頭が固いから、もっとだめだ」】とも。 それに引き換え、仙谷由人です。 【私は直接民主主義と間接的な議会制民主主義で言えば、ためを作って専門的に事に当たれる後者の方が間違いが少ないと考えている」……「電力に支えられた社会がある。現実を踏まえるべきだ。特に政治の場ではそうです。なかには原発が再稼働したら、直ちに子どもたちが危険だというような考えがありますが、論理に飛躍がある」と、再稼働やむなしと】 「専門的に事に当たれる後者の方が間違いが少ない」と控えめですが、要は選民思想丸出しです。エリート臭がぷんぷんします。「論理の飛躍がある」というが、飛躍があるのは仙谷のほうです。 ▶仙谷氏、原発15%に理解 毎日新聞2012年8月3日総合ファイル 【民主党の仙谷由人政調会長代行は2日、BS朝日の番組収録で、2030年の原発依存度について政府が示している0%、15%、20~25%の三つの選択肢に関し、「ゼロはちょっと非現実的だ」と指摘した。15%については「まあ当面は (そうだ)」と一定の理解を示した。 仙谷氏はまた、首相官邸周辺で脱原発を訴えるデモが毎週行われていることに関し「原発をやるくらいなら貧しくてもろうそくで生活しようとの議論があるのは分かるが日本人の多くはそうでないと思う」と語った】 「ゼロはちょっと非現実的だ」と指摘した。15%については「まあ当面は (そうだ)」と? 何のことはない、中庸の精神でまあ、真ん中を取っておくかというくらいの話。それこそ「論理の飛躍」もしようのない、「没論理」な話なのです。 ▶「安全な原子炉開発を」規制委員長候補 田中氏が原発推進姿勢 衆参の聴聞会 共産党の佐々木憲昭衆院議員の質疑に、田中俊一・元原子力委員会委員長代理、【今回の事故を反省しているといいながら、原子力は人類が「コントロールできる」と明言。「今後、より安全な原子炉の研究開発に力を注いでいってもらいたい」と】原発推進を明言しています。 また、【政府が決めた20ミリシーベルトの避難基準を帰還基準とし、住民に20ミリシーベルト近い放射線量を浴びる暮らしを強いてきたことについて、「私の判断ではなく、原爆追跡調査やICRP(国際放射線防護委員会)のデータを示したものだ」と弁明】、要は人が決めたものにそってやっていますよと。これは研究者の姿勢ではありません。法に逸脱しないよう前例踏襲で施行する行政マンと同じです。 ▶輿石氏“規制委人事は賛成で” 【民主党の輿石幹事長は、記者会見で、政府が国会に提示した「原子力規制委員会」の人事案に対し、党内から異論が出ていることについて、「与党が『ダメだ』と言うのはよほどのことだ」と】 ▶福島第1原発事故 福島の製材樹皮滞留 4万トン廃棄物、特措法の想定外 そうか、こういう問題もあるのですね。丸太から剥いだ樹皮の処分問題です。しかし、東電に燃してもらうといっても、ばら撒くだけになってしまうのでは。 ▶社説:省エネ・節電 成長との両立を目指せ 【国民一人一人の自覚的な取り組みとともに、エネルギーの利用効率を上げる技術革新で、国民経済への負の影響を抑えたい。革新的な省エネ技術を開発できれば、経済成長にもつながるはずだ】 【最先端の省エネ技術は、国内に新規需要を生み出すだけでなく、海外市場への展開も期待できるはずだ】 ▶節電:九電要請から1カ月 定着、需給に余裕 引き続き協力求める 【九電が当初予想していたピーク時の使用電力1634万キロワットに比べ113万キロワット下回り、供給力は逆に最大121万キロワット増えた。市民の節電意識の定着のほか、九電の予想が外れ、電力需給は余裕が生まれている。しかし、政府と九電は節電の目標数値を下げず、引き続き市民に努力を求める考えだ】 【学習院大の八田達夫・特別客員教授(公共経済学)は「電力会社は原発再稼働の支持を得たいから『電気が足りない』と見積もるのだろう。朝から夜まで節電を求めるのではなく、暑い日のピーク時のみ料金を上げるなど固定化した料金制度を変えて乗り切る工夫をすべきだ」と話している】 そう、仙谷がいうような「ろうそく生活」などということではないのです。 ▶「原子力センター構想」の意見募集開始 【東海村は村にある原子力研究施設や人材を生かした町づくりの構想の案をまとめ、村民の意見を広く取り入れようと構想に対する意見を募集するパブリックコメントを始めました】 ▶東海第二原発廃炉など求め提訴 【東海村にある東海第二原子力発電所は、半径30キロ圏内の人口がおよそ100万人と全国の原発で最も多く、事故の際に一斉に避難することは不可能だなどとして、茨城や東京の住民らが事業者の日本原子力発電と国に対して、原発の運転差し止めや原子炉の設置許可を無効とすることなどを求める訴えを水戸地方裁判所に起こしました】 ▶浜岡原発巡り仮処分申し立てへ 【県内の住民や弁護士らが中部電力・浜岡原子力発電所の廃炉を求めている裁判で、住民らは浜岡原発の運転再開を認めないよう求める仮処分をことし10月にも静岡地方裁判所に申し立てる方針を明らかにました】 ▶<原発事故>福島の子供 セシウム検出0.1%に 【福島県内の幼児や児童約6000人を対象に今年4~6月に実施した内部被ばく検査の結果を解析したところ、放射性セシウムが検出されたのは約0.1%だったことが、東京大医科学研究所の調査で分かった。幼児や児童では、取り込んだセシウムが代謝などで体外に出て30~60日程度で半減する。東京電力福島第1原発事故から1年以上が経過し、現在は事故直後に取り込んだセシウムの影響がほとんど残っていない】 【坪倉医師は「露地栽培の野菜などを控えたことや、国の厳しい食品規制に加え、自給率が低く食品を輸入に頼っていることが影響した」と推測する】 ▼原子力ムラ 今日の「No problem!」 ▶福島 腰据えぬ保安院 常駐せず出張重ねる 【東京から福島への比較的短期の出張を繰り返す事例が多い。現地に住まない臨時の形では、現地の信頼は得にくいのが実情。職員からは腰掛けと受け取られる状況が続くことに、疑問の声も出ている】 【旅費総額は九千九百八十七万円。本院とは別枠の予算で出張している職員もおり、総額は一億円を超える。一人当たりの最高額は約五百八十万円】 これ、みんな税金です。 ▶九電社長 原子力ある程度必要 【九州電力の瓜生道明社長は、鹿児島市で経済団体などの代表者らと行った意見交換会で、原子力発電所について「電力の安定供給のためにはある程度は必要だ」と】 ▶知事「規制委は期待の仕事を」 【古川知事は3日の定例会見で「期待される仕事をしてもらいたい」と述べ、原子力発電所の安全性を確保する組織として国が責任を持つべきだとの考えを強調】 【国が責任を持って原子力発電所の安全性が確保される組織として発足させるべきだとの考えを強調】 そりゃそうでしょう。調子に乗ってつい言ったら総スカン。口は災いのもとと、そうだ、他のやつ(国)にすべて押し付けるのがいいとでも学習したのでしょう。大飯の経過もあるしと。 | ||