原発通信 315号2012/10/11発行
![]() 「10.13さようなら原発集会 in 日比谷」詳細はこちら もうひとつの「諸行無常 盛者必衰」 先日の本通信で、原子力ムラの住人は「諸行無常」を理解できない連中だと書きましたが、どうもそれは原子力ムラだけでなくエコノミストと呼ばれる連中もそのようです。 毎日新聞10月8日付の浜矩子のコラム「危機の真相」は、題して「IMF平家物語」です。 IMFの年次総会が日本で48年ぶりに開催されています。コラムはIMF体制とその崩壊に至る1970年代初のニクソン・ショック──それまでのドルと金との兌換性と基盤にした戦後国際通貨体制が米国のベトナム戦争と貿易収支の赤字によってもはや維持できなくなり、兌換停止ということをもって終焉を迎えたという戦後経済秩序のお話を書いています。まあ、その辺の話は政治経済をちょっと勉強した方ならお分かりの話ですが。浜は、その時(ニクソン・ショック)にアメリカのドルを基軸とすることをやめておけばよかったのだというのです。しかし、なにぶん組織が大きく、潰せなかったと。そして、グローバル化社会の到来。どこまでが国内で、どこからが国外かわからなくなった今の時代に、国際収支の管理人は必要かと問います。 そして彼女は言います。「通貨の世界は諸行無常だ。まさしく盛者必衰」、IMFはどこへ行くと。しかし、そもそもIMFのもととなった、まだ戦時中である1944年のブレトンウッズでの合意(ドルという一国の通貨を基軸に据える)そのものが、問題だったのだという指摘は以前からされていました。浜教授、別に目新しいことをいうわけでもないのにマスコミによく登場しますし、ロードークミアイもお好きな学者のようです。つくづく思います、経済学というものは後付けの「学問」──「世界を後から解釈するもの」だと。いや、そう言ったらみんなそうか、将来を見通すものは「占い」しか残らなくなってしまうか…。困ったものです。 ここは田中知教授らに現場に行って確認していただきましょう。 報道では「大きく破損している様子は見られなかった」といっていますが、今現在も毎時5トンもの水をぶち込んでようやく現状を保っているという状態です(この箇所、毎日新聞紙面ではあるのですが、電子版ではありません。産経新聞が書いています)。そして「湯気がもうもうと出ている」といいます。つまり、大気中に放射能をもった湯気が休みなく出ているということです。そして、この毎時5トンの水──1号機だけでこれだけ必要です──湯気になって大気中に出て行ってしまうもの、循環させているはずですがどの程度かわからないところがあります。 田中知東大教授、たしか核燃料取扱者の免許をお持ちのようですので、ここはセンセイの出番ですから、ぜひ行ってもらいたいものです。ところで、久しぶりに彼のHPを覗いたら、新しくなっていました。 なんて書いてあるか紹介します。 【学生へのメッセージ】 大学は学術追求の場であるとともに,その成果を人類,社会に反映させねばなりません。諸君が青春の2~3年間上記の研究に熱中し,将来の世界を指導する優秀な人材になれるように全力で支援したい。研究室の特徴としては「まず良く学び,そして良く遊べ。頭の芯が熱くなるまで考えよ。」を挙げたい。 冗談は休み休み言ってもらいたいものです。学術追求の場?(こういうときは普通は、追究の方を使うのではと思うのですが、カネを追い求めるなら「追求」ですが。「世界を指導する優秀な人材になれ」、よく言うよ。「頭の芯が熱くなるまで考えよ」だと! そうしてお前さんは頭がメルトダウンしてしまったんでしょう! 世界中に迷惑をかけて! 恥を知れ! HP、この前まであった「私のモットー」は消してありました。だんじり好きというのも! 無責任極まる男です。 ついでにあのプルトニウム飲んでも大丈夫男である大橋忠弘センセイはいかがお過ごしかと覗いてみると……。 以前は、マスコミへのやつあたり文が掲示されていました(2012年2月28日付「プルサーマル公開討論会に関する経緯について」本通信184号参照)が、今は「工事中」。逃げ回っているのでしょう。そしてこの方、まさに「諸行無常 盛者必衰」が理解できない人です。だって「格納容器は1億年に1回しか壊れない」などと言えるお方なのですから。1億年ですよ! そんなに長い年月の間、そのままの形で今に存在している物質など知りませんし、聞いたこともないです。鉄でこさえたものが1億年? そもそも鉄器ができて何年たっているのでしょう。形あるものは壊れるという自然法則をも無視できるのです。えっ!無視していないって!「1億年に1回は壊れると言っているだろう」ってか! もう一人忘れてはならないセンセイがいます。関村直人センセイです。何やら複雑系の領域をお勉強なさっているそうです。 「保全学は、複雑なシステムのライフサイクルの最適化を行い、その環境適合性、信頼性と経済性の最適化を目指すための新しい学術です」 ご冗談でしょと言いたくなります。 とりあえずあげた東大の3人。びっくりするくらいの「東大話法」の“達人”たちです。 ▶福島原発:1号機格納容器で11シーベルト 映像も公開 【東京電力は10日、福島第1原発1号機の格納容器内に測定器を入れて調べた結果、最大で毎時11.1シーベルトと極めて高い放射線量を計測したと発表した。計測された放射線は人が1時間浴び続けると高い確率で死亡する線量】 ▶福島第1原発 1号機格納容器内、毎時11.1シーベルト 【1号機には毎時約5トンの水が注入されており、損傷部から水が漏れているとみられるが、損傷箇所は不明という】 ▶廃棄物地中処分 アンケ 都合よく報告 昨日314号で報告した記事の前段記事です。これまでも、同様なことをやってきたのでしょう。彼ら原子力ムラ、いやマフィアの連中の言うことは何一つ信用してはなりません。「ムラ」の住人どころではありません。まさに「マフィア」なのです。 【高レベル放射性廃棄物の地中処分を検討する原子力発電環境整備機構(東京)が二〇一〇年秋、処分方法や原発について全国で実施した大規模アンケートで、原発反対の意見が賛成を大きく上回っていたのに、同機構は国の原子力政策を決める場で「地中処分の安全性や必要性の理解が進んだ」と都合のいい部分だけを報告】 産経新聞は、「再稼働への基準づくり」と ▶<原子力規制委>過酷事故対策を義務に 「事業者任せ」転換 【シビアアクシデント(過酷事故)への対策の法制化に向けた作業に着手した。過酷事故の発生リスクを確率で把握する手法を新たに取り入れ、電力事業者に低減策を義務づける。想定を超えた大事故が起きないことを前提とした従来の安全規制からの転換となる】 【原発再稼働で求められる前提条件になる。具体的には事故時の対策拠点となる免震事務棟の整備などが想定され、来年7月にも正式決定】 *想定される主なシビアアクシデント対策 ・電源設備の多様化、多重化 ・原子炉建屋から出る水素除去装置 ・復旧作業の拠点となる免震事務棟 ・津波の浸水を防ぐ防潮堤 ・原子炉建屋の防水性強化 ・電源なしでも稼働する冷却装置 ・がれきを除去する重機の常備化 ▶原発再稼働へ新安全基準の議論スタート テロなども検討対象 「意図的な航空機衝突などのテロ対策や、設計基準を超えた自然災害も検討対象」と、巧妙な論点ずらしです。 ▶福島健康調査:「準備会で意見集約」 県が事前に進行案 【第4回検討委(昨年10月17日)の前に「準備会で意見集約」と記した進行表案を県が作成していたことが分かった。県が9日に発表した調査報告書はこの記載内容に触れていない。「事前の意見調整はなかった」と結論付けた調査結果の信用性が改めて問われそうだ】 【ここに「WBC(ホールボディーカウンター)検査や線量計測定の県内拡大への対応」「統一した対応のためのプラットフォーム委員会の設置」と併記された後、「まず準備会で、意見集約」と書かれ、下線が引かれている】 ▶社説:原賠法の改正 重大事故への備え急げ 【原発で重大な事故が起きると、膨大な損害賠償責任が生じる。電力会社に全責任を負わせる現行制度では立ちゆかないことは、東京電力福島第1原発の事故ではっきりした】 【原発の稼働を認めるのであれば、法改正で国の責任を明確にし、被害者救済に万全を期す制度づくりを急ぐべきだ】 【1961年に制定された原賠法は、過失の有無にかかわらず電力会社が損害賠償の全責任を負うとしている。「異常に巨大な天災地変」の場合に限り、責任を免れる条項があるが、その定義はあいまいで、今回の事故でも適用の是非が問題になった。国の賠償責任については規定されていない。 重大事故が起きれば、賠償額が巨額になるため、電力会社の破綻は必至だ。それでも、国は賠償責任を負わないのだから、賠償主体がなくなってしまう。これでは被害者は救われない。「原発安全神話」を前提にした現行制度の欠陥】 天に唾する行いです ▶大間原発:再開した建設現場を公開 建屋に鋼板つり込む 「現在の実質的な進捗率は6割前後とみられる」とのことです。 ▶原発:「地域実情で判断を」 経産相発言で敦賀市長/福井 【敦賀市の河瀬一治市長は同日、「地域の実情を踏まえ、個別に判断していただきたい」とのコメントを出した。同市には、日本原子力発電敦賀原発3、4号機の建設計画がある】 ▶上関原発建設計画:妨害禁止仮処分、反対派が取り消しを請求/山口 【中国電力の上関原発建設計画を巡り、建設予定海域での工事妨害を禁止する仮処分決定について、反対派の上関原発を建てさせない祝島島民の会や漁業者ら37人は9日、地裁岩国支部に決定を取り消す申し立てをしたと発表】 【山本繁太郎知事が認めないと表明していることなどから、公有水面埋め立て権は消滅したとして、妨害禁止の仮処分決定を取り消すよう求めた。中電の延長申請は県が審査中で、中電の埋め立て免許は失効していない】 ▶産地偽装:ネギを県外産と 三春の学校給食に納入、青果業者を書類送検/福島 こうした「偽装」は想定されていることです。残念ですが…。 【三春町の学校給食用などのネギを「県外産」と偽って納入したとして、同町の青果店経営者(49)と元従業員(38)の男2人と、同店を不正競争防止法違反(誤認惹起)の疑いで地検郡山支部に書類送検した。町によると、同店は昨年4月ごろから発覚する今年2月末までの約11カ月間、ネギやホウレンソウなどの野菜を県外産と偽って納入し続けていた】 ▶福島第1原発事故 南相馬市、自家消費用食品37件がセシウム基準値超/福島 【南相馬市は、9日の市災害対策本部会議で、9月に実施した自家消費用食品の放射能簡易分析結果を公表した。市内8施設に持ち込まれた510件のうち、225件から放射性セシウムを検出し、37件が基準(1キロあたり100ベクレル)を超えた。ウナギ(原町区桜井町)同1040ベクレル▽ミョウガ(同区高倉)同685ベクレル▽クリ(同区馬場)同471ベクレル▽ユズ(同区上高平)同314ベクレル▽アユ(鹿島区横手)同251ベクレル▽スダチ(同区浮田)同132ベクレル──など。流通していない】 ▶<浜岡原発>住民投票条例案否決 原発再稼働めぐり 【中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案が11日、同県議会で採決され、原案など2案はいずれも反対多数で否決された。東京電力福島第1原発事故後、原発再稼働の是非を問う住民投票条例案が否決】 「原発」住民投票、立地県でも否決。戦略・戦術はもとより中身の検討が根本的に必要かもしれません。 またまた驚愕する内容です ▶「チェルノブイリの犠牲者」原発作業員の証言と現実 2003年スイス(動画・内容書き出し) 2003年にスイスで制作されたドキュメント。長い期間をかけて取材されています。事故収束作業に当たった作業員の証言が主ですが、最後に出てくる奥さんの証言にも凄まじいものがあります。スイス経由で表に出てきた真実です。 ▼寄せられた情報 ▶公安警察が原子力規制委員会の傍聴者、メディアを監視!規制庁のトップは元警視総監!! この事実だけ見ても、規制委員会の立ち位置、目的がどこにあるのか分かります。 【先月9月19日に発足した原子力規制委員会が、委員会の傍聴者やメディアを監視するために、警察を要請していたことが10日わかった】 【傍聴者の数人が警察が監視していることに気づき、「あなたは誰ですか?何をしているのですか?」と詰め寄ったところ、「規制庁の要請で来ている。それ以上、話す必要もない」と回答。OurPlanetTVに対して、撮影をやめるように声を荒げた。市民は「何のための警戒なのか」「一般市民の知る権利を侵害してる」と廊下まで出るように求めたが、警察は「自信を持って仕事をしている」と応酬】 【原子力規制委員会の田中俊一委員長は会見で、「委員会で声を聞くまでは、全然知りませんでした」と回答】 【「日本の公安警察」の著者でジャーナリストの青木理さんは、「規制庁が警察に警備を要請し、公安警察が情報を収集しているとしたら気持ち悪い話だ。規制庁のモラルが問われる。規制庁のトップが、池田克彦元警視総監であることとも関係がある可能性が高いのではないか」と指摘】 【安心して政策決定プロセスを傍聴出来るという民主主義の根幹を揺るがす今回のケース】 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 ▼トンデモナイ話 ▶<東電社員殺害>検察「無罪主張」検討 爪の付着物は第三者 【弁護団は「絞殺時に第三者に抵抗して付着した可能性が高い」と指摘。高検は鑑定書を29日から東京高裁で始まる再審公判に証拠提出しており、これまでの有罪主張を転換して無罪を求める方向で検討に入ったとみられる】 当然でしょう。佐野眞一さんの「東電OL殺人事件」は力作です。そこで、思い出していただきたいのです。マイナリさんが釈放され、ネパールに帰国する際、法律の専門家・識者といわれる一部の連中が何と言っていたのか。有罪、疑いの濃いものを国外に出してしまい、手が届かないところにやってしまったなど訳知ったりのことを言っていた連中のことを。当時の新聞をめくると名前が出てくるはずです。 これも原発・原子力問題と同様、いかに「専門家」(この場合法律の)といわれる連中がいい加減か、デタラメかということがわかります。肩書は、専門刑法とか元検事とかそれらしい肩書きをお持ちの方々です。 ここまでくると、もう日本の「知」は地に堕ちたと、最後はダジャレになってしまいました。 | ||