原発通信 347号2012/11/28発行
![]() '¡No pasarán!' 橋下が福島で吠えました。「わたしはなーんにも考え方は変わっていません」。悪いのはマスコミだそうです。 【「嘉田知事を中心とするグループはいきなり脱原発と言うが、いつまでにできるのか、誰もプランを持っていない」。27日、遊説先の山形県酒田市で、日本維新の会の橋下徹代表代行は、日本未来の党を強く批判した。さらに「どれだけ高い目標やスローガンを掲げても絶対に実行できない」】などと、口から出まかせを言っているようです。 ここまでくるとアホか(いや、もうだいぶ前からみなそう思っていましたと)と。 「誰もプランを持っていない」だと? 結構じゃないですか。政策なんて関係ないといったのは橋下です。いや、これ、逆説ですから。そして、返答に困ったか、自分をえらそうに見せるために「嘉田知事は政治グループを束ねた経験がない」と自分を売り込むことだけは忘れません。こういう人間、身の回りにいませんでしたか。確かに頭の回転は早いのですが、ずるがしこく、先生(上司でもいい)の見ていない、見えないところで悪さ(意地悪)する子(人)、調子よく話を合わせてくる人、そうだ、そうだとさっきまで相槌をうっていたから、てっきり賛意を示して応援してくれているものと思っていたら、急に態度を変えるもの、変えるだけならいいですが、さも以前から反対していたかのような態度をとるもの。そういう人を私は「お調子者」と名づけています。 そう、それにぴったり当てはまるのが、橋下であり、暴走老人の石原です。 政府事故調委員を務めた九州大副学長の吉岡斉さんは言っています。「私は原発ゼロはそんなに難しい話ではないと思っています」と。(下記) 橋下の言動の変節を見ていくと、とてもじゃありません、第三極の要に位置するなどという“リッパ”なものではありません。それまでブレーンを務めていた飯田哲也氏も離れ、滋賀県知事の嘉田氏が立ち上げた新党「未来の党」の代表代行に就任。また一人、彼から離れていきました。まさに、橋下の実像は、敵と通底する「第五列」。それが表に出てきたというところでしょう。 '¡No pasarán!'(ノーパサラン。奴らを通すな!) ---------------------------------------- (註:¡No pasarán!はスペイン市民戦争以来、反ファシズム抵抗運動の合い言葉になったフレーズ。「第五列」もスペイン市民戦争に由来する言葉で、味方の陣営にいながら敵と通じる勢力のことを指す) ▶嘉田新党結党:揺らぐ戦術、維新警戒強める 【「嘉田知事を中心とするグループはいきなり脱原発と言うが、いつまでにできるのか、誰もプランを持っていない」。27日、遊説先の山形県酒田市で、日本維新の会の橋下徹代表代行は、日本未来の党を強く批判した。さらに「どれだけ高い目標やスローガンを掲げても絶対に実行できない。嘉田知事は政治グループを束ねた経験がない」とボルテージを上げた】 【27日朝には民放の報道番組で「脱原発の方向は大賛成」と歩調を合わせてみせたものの、夜には徹底批判に転じた橋下】 「口から出まかせ」という言葉がありますが、まさにこれぞという橋下の「出まかせ」です。 ▶<日本維新>「脱原発」後退がっかり 橋下氏、被災地で演説 【橋下氏は冒頭、旧太陽との合流で「原発ゼロ」の表現がなくなったことを釈明した。「(マスコミは変わったと指摘するが)なーんにも考え方は変わっていません」「どの政党も、具体的なプランは持っていないんです」】 【「演説はうまいけど、あんまり言うことは他の政治家と変わんねえな」。耳を傾けていた会津若松市内の女性(72)はぽつりと言った。原発政策については「選挙目当てでしょ」と冷ややかだった】 見ている人は見ているのです。ところで、この記事に、橋下の「口から出まかせ」を記録しているものがありましたので転載します。 ◇脱原発を巡る橋下氏の発言の変遷◇ 4月24日 電力供給体制の改革をやる。可及的速やかに原発廃止という文言に集約しないと政治的なエネルギーが生まれない。 ▶<未来の党>「脱原発後退」知事動く 「選挙の顔」に期待 【脱原発を求める国民の声の受け皿になれれば、「民主VS自民・公明VS日本維新の会」という衆院選の構図に一石を投じる可能性が出てきた】 ▶嘉田知事:「未来の党」第三極が二分 生活・脱原発合流 【滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事(62)は27日、大津市内で記者会見し、衆院選(12月4日公示、同16日投開票)に向け、新党「日本未来の党」の結党を表明した。全原発の廃炉を目指す「卒原発」を政策の柱に掲げる】 【代表代行には、原発政策で日本維新の会の橋下徹代表代行のブレーンを務めたNPO「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也(てつなり)所長が就く】 飯田哲也さんも橋下を見はなしました。 ▶自民は「続原発」=野田首相【12衆院選】 嘉田知事の新党結成のためなのか、ここへきて争点として原発が急浮上という感じですが、どうなんでしょうか。今度は「続原発」です。次から次へと造語・新語のオンパレード。漢字とは便利なものです。アルファベットの羅列より、一目でイメージがわかるところが。野田首相も各地を回って、原発という課題の大きさを感じ取ってきているのでしょうか。 ▶エネルギー政策 「脱原発」の大衆迎合を排せ 【エネルギー自給率が4%の日本が、全電源の約3割を占める原発をただちに放棄するのは非現実的だ】 「全電源の約3割を占める原発」? いつのことをいっているのでしょう。今現在54基中の原発のなかで動いているのは、野田首相がデタラメ再稼働させた関西電力の大飯3、4号機だけ。他は動いていません。これが「現実」です。 【民主党政権の「脱原発路線」の影響で、ほとんどの原発が再稼働できていない。老朽化した火力発電所をフル稼働する綱渡りの中、液化天然ガス(LNG)など燃料の輸入が急増し、年3兆円もの国富が流出し続けている】 じゃあ、福島第一原発事故で、今後数十兆円かかると今でさえ言われているが、それは「国富の流失」といわないのか。たとえば、近々では、どうしようもない仏製アレバの欠陥「浄化装置」に支払った金額は、国富の流失ではないのか。 デタラメ、デマをたれ流す世界一のウソ垂れ流し新聞──読売新聞です。 「原発ゼロはそんなに難しい話ではない」 「安易な再稼働や長期延命を狙うような政党や候補でないか、きちんと見極めて」と政府事故調委員だった吉岡斉さん ▶政治にツイート:/2 九州大副学長・吉岡斉さん 【大飯原発2基しか再稼働を許していない今の状況は、世論が原子力政策に反映されている表れです。市民の声が原子力政策にこれほどまで届いたのは歴史上初めてですが、政策を変えさせるにはまだ不十分。変えるのはやはり政治にしかできない。私は原発ゼロはそんなに難しい話ではないと思っています。 1次エネルギーに占める原子力の割合は1割にすぎない。人口減少や省エネでエネルギー消費は少なくとも年1%ずつ自然に減っていくので、30年のゼロは十二分に可能です。今後は、例えばドイツの脱原発政策を見習うのも手でしょう。ただ、こうした脱原発の思いを託す投票先が、有力政党ではないというお寒い状況を感じています。安易な再稼働や長期延命を狙うような政党や候補でないか、きちんと見極めて投票したいですね】 ▶原子力委:高レベル放射性廃棄物処分、暫定保管へ転換提言 【原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分方法で、内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)は27日、地下深くに半永久的に埋める最終処分(地層処分)計画を見直し、将来、廃棄物を地下から取り出せる「暫定保管」へ転換を図るよう政府に求める提言案を示した】 【提言案は、従来の計画を「最新の科学的知見の反映や国民との認識共有の取り組みが不足していた」と分析。その上で、数万年後の地層の安定性を保証する難しさや、将来より安定した処分地や処分方法が見つかる可能性を考慮し、廃棄物を再び取り出して処分計画を後戻りさせることも可能にする暫定保管について「必要性と意義を十分に評価すべきだ」とした。現行でも、坑道をふさぐまでの数十年間は廃棄物の再回収・移送が可能だが、計画に明記されていなかった】 「最新の科学的知見の反映や国民との認識共有の取り組みが不足していた」と分析──何を寝ぼけたことを今ごろ言っているのかです。要は、これまでうまくだましてきましたが、3.11福島があってみんなバレちゃった──こまったな~というところで出てきた出し遅れの証文みたいなものでしょう。それにしても、まだ、デタラメな鈴木が委員長として居座っています。 ▶<大荒れ>猛吹雪の北海道、自衛隊に災害派遣要請 【北海道は27日未明から猛吹雪となり、室蘭市などで約5万6000戸が一時停電した。登別市では送電線の鉄塔(高さ26メートル)が倒壊。北海道電力によると、復旧には3日程度かかる見通し】 いや、本当に泊原発が止まっていてよかったです。こんなときにもし…、なれば、福島第一の二の舞です。全交流電源喪失──外部からも電気が入りません──想像しただけでもぞっとです。というふうに考えてほしいのですが、ほれ、やはり電気がないと原発だ、というシナリオを描きたいのでしょうが、そうはさせてはなりません。 ▶送電線工事:公取委、50社を立ち入り 談合の疑い 【東京電力と関西電力が発注する送電線設備工事を巡り、業者が談合を繰り返していた疑いが強まったとして、公正取引委員会は27日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで関電系の大手電気工事会社「きんでん」(大阪市)など東京や大阪の約50社を立ち入り検査】 前号で、電力会社はシンジケート、カルテル、マフィアと同じだと書きましたが、その「証拠」のひとつです。 ▶衆院選:民主公約、TPP交渉参加盛らず 「30年代原発ゼロ」明記 【具体的な公約ではTPPについて日中韓自由貿易協定(FTA)などと同時並行的に進めるとしながらも、明確な方向性は打ち出さなかった】 競争(市場)原理主義者の息の根を止めるまで安心はできません。 ▶原発計画、日立と交渉継続──リトアニア 【地元紙は首相は「日立側と交渉を続ける」意向で、建設の是非についての最終判断は示していないと報じた】 【原発建設を推進した保守系の連立与党が敗北し、原発建設に反対する社会民主党が第1党に躍進。労働党など計4党での連立政権樹立に合意】 ▶もんじゅ:規制委、発足後初の検査 来月7日まで/福井 【冒頭の会議で、検査を担当する原子力規制庁の森下泰・安全規制調整官が「原子力規制委員会ができて、原発の再開のハードルは一段と高くなっている」とあいさつ。規制庁によると、旧原子力安全・保安院の時にはなかった抜き打ち検査を行う予定】 「抜き打ち検査を行う予定」といった自体、インチキ、デタラメなことをやっている可能性があるということを自ら言っているようなものです。 ▶名称は「ふくしま新生プラン」 県総合計画 基本目標を「夢・希望・笑顔に満ちた“新生ふくしま”」と。地元紙の記事、内容はっきりしませんが。 ▶福島県、人口減対策に重点 避難、20年度ゼロを明記 こちらのほうが原発事故に関しての将来像がわかりやすいです。でも、可能なのでしょうか? 楽観的すぎると思うのは私だけでしょうか。 【仮設住宅や県外で避難生活する人を20年度までにゼロにする指標などを盛り込んだ。12月4日開会の県議会12月定例会で同意を得て正式決定する】 【県によると、現在も県内約10万人、県外約5万9000人の避難者がいる。計画は、県外への定住者や災害公営住宅の入居者を除き、県内外で仮住まいする避難状態の解消を目指す】 ▶「燃やすな、危険」日本の木々に残留する多量のセシウム:筑波大学研究チームが科学誌に発表 【筑波大学の加藤弘亮(かとう ひろあき)研究員(生命環境科学)らの研究チームは11月10日、福島原発事故から6ヶ月後の時点で、空気中に放出されたセシウム137の60%が針葉樹林を中心とする森林に残留していたとする研究結果を科学誌『地球物理学研究』(Geophysical Research Letters)に発表した。国土全体の70%を森林が占める日本において極めて深刻な発見といえる。 日本の針葉樹林を構成する杉とヒノキにはほぼ同じレベルのセシウムが蓄積されていた。バド教授によると、針葉樹の葉の形状(細かさ)によって放射性物質とともに葉に付着するホコリの量が決まると言う】 【森林に付着した放射性物質は、時間と共に地表を汚染すると見られている。加藤研究員らの研究チームは、汚染された森林で伐採された木材の使用を監視し、暖房用に木材を焼却する事を禁止すべきであると提言している】 科学誌『地球物理学研究』(Geophysical Research Letters)に11月10日に発表とのことですが、日本では報じらたのでしょうか? | ||