原発通信 366号2012/12/28発行
![]() 米原子力空母乗員が、東電に損害賠償請求で提訴 共同電:計1億1千万ドル(計約94億円) N H K :各1000万ドル+基金創設の計2億2000万ドル(日本円にして189億円) アメリカ海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員8人を含む9人がトモダチ作戦で情報が伝えられなかったために被曝したと裁判を起こしたということです。東京電力を【相手に計1億1千万ドル(計約94億円)の損害賠償を求める訴えをカリフォルニア州サンディエゴの米連邦地裁に起こした】というのです。 この報道は共同通信の配信で、各紙が報じているのはここまでなのですが、NHKTVでは、その損害賠償額は、原告それぞれに1000万ドルの損害賠償と、将来の医療費に充てるための基金の創設など合わせて2億2000万ドル(日本円にして189億円)を支払うよう求めているというのです。 さて、どちらが正しいのでしょうか。いずれにしても、この情報を寄せてくれた方も言っているように、東電は払う意思はないし、もし、米の裁判所が認め、支払うことになったとしたも、国が払うのでしょう、税金で。そして、「アメリカの法廷で被曝隠しの実態をバンバン暴露してくれたほうが、日本人の眼も醒めるかと」と──そう、なにしろ、“欧米”が三度の飯より好きな人が多いですから。 というより、寄生虫の研究をされている藤田紘一郎さんが言われていますが、日本の学界・医学界は、欧米発の情報はありがたがり、すぐ信用する。しかし、日本初の情報等についてはなかなか評価しないと。最近のiPSでの京大の山中伸弥さんなどは特別だと言っていましたが、そういうところ確かにあります。原発・原子力ムラだってそうでしょう──、そんなところにしか“希望が”もてないニッポンか。 ▶大飯原発:破砕帯の2回目調査開始 原子力規制委 毎日新聞 2012年12月28日 10時43分(最終更新 12月28日 10時56分) 【原子力規制委員会は28日午前、関西電力大飯原発(福井県)の2、3号機の間を走る断層「F-6破砕帯」が活断層なのかを判断するため、2回目の現地調査を始めた。調査は29日も予定されている。調査結果は来年1月に開く会合で評価する】 【敷地北端の「台場浜」付近の調査溝(トレンチ)で、新たな地層のずれが見つかり、関電は「地滑り」と主張した。調査団は12万~13万年前以降にずれたとの見解で一致したが、成因は「活断層」か「地滑り」かで分かれた】 ▶東通原発:活断層認定 「結論急ぎ過ぎ」 原燃社長、会見で不満示す/青森 【川井社長は「1回、2回の現場調査や会議で決めているが、まず事業者の意見を聴いていただきたい。経済産業省原子力安全・保安院(当時)でさんざん議論してきたことと、どう違うのか。地元でも説明が必要だ」と不満をぶちまけた】 【一方、川井社長は再処理工場のガラス固化試験で、25日にB系ガラス溶融炉の流下速度が一時低下したことも明らかにした。ガラスを撹拌(かくはん)する「直棒」を初めて炉内に入れて操作し、27日までに流下は回復したという。レンガ片などの異物が詰まった可能性があり、原燃は今後、炉内の洗浄運転を行う】 ▶「ともだち作戦」アメリカ兵、94億円払えと東電提訴 【東日本大震災後、三陸沖に派遣された米原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員8人が27日までに、東京電力福島第1原発事故の影響が正確に伝えられず被ばくし健康被害を受けたとして、同社を相手に計1億1千万ドル(計約94億円)の損害賠償を求める訴えをカリフォルニア州サンディエゴの米連邦地裁に起こした】 世の中こんなもの。東電は支払えないですよね。ということで税金が使われますね。こうなったら、いっそアメリカの法廷で被曝隠しの実態をバンバン暴露してくれたほうが、日本人の眼も醒めるかと。 ▶トモダチ作戦参加の米兵が東電訴える 【原告らは「東京電力が原発事故の危険性について不完全で不正確な情報をアメリカ側に伝えたため、安全だという誤解のなかでトモダチ作戦が行われた」と主張しています。 ▼トンデモナイ話 ▶石原環境相:前任者からの引き継ぎ拒否 毎日新聞 2012年12月27日 22時05分(最終更新 12月27日 23時38分) 「セレモニー的なものは必要ない」とのことからだそうですが、そう、単なるセレモニー的なものなら。雁首並べて記念写真…。そんなものセレモニーでしょう。ほかにもあります。そんなものみんなやめて、さっさと仕事をしてください。無駄な税金を使わなくても済むのですから。挙句は、俺が責任取るからしっかりヤレだと。そういうやつに限って、いざという時は、いや、条件が、聞いていない、相談がなかったなどと言うにきまっています。 【安倍内閣発足に伴い、各省で27日、新大臣と前任者の間で事務引き継ぎが行われた中、石原伸晃環境相は長浜博行前環境相との引き継ぎを拒否した】 【石原環境相は27日の着任のあいさつで、「間違った政治主導という言葉で、思う存分仕事をできなかったということもあるかと思うが、これからは持てる能力を最大限発揮していただきたい。責任は私がとる」】 ▶石原環境相:除染の加速化を約束 福島県知事と面会 毎日新聞 2012年12月27日 21時51分(最終更新 12月27日 22時44分) カエルの子はカエルといいますか、この親にこの子ありです。 しかし、親父は横文字が大好きでよく片仮名交じりの日本語を多用する御仁でした(そういう人、あまり信用されない人に多いとか)。しかし、息子の方は、サイトをサティアンと間違えたりと英語が不得意なのかな…。でも、選挙前、知ってか知らずか、親父の方も「フェイドアウト」と維新の会の「公約」(? こうやくと入力したら膏薬と――こっちのほうがあっています。どこにでもつくと)に書いてあるがと記者に問われ、「フェイドアウト…、なんだそれ」と答えていましたが。 ▶勝俣邸ハンストの右翼青年 今年は東電前で座り込み 【昨年の年の瀬に勝俣恒久・東電会長(当時)宅そばでハンストに挑んだ山口祐二郎さん(右翼活動家・27歳)は、今年、東電本店前を選んだ。「補償が終わっていないのに再稼働(しようと)するのはおかしい。再稼働するなら補償をしっかりしろ」との理由からだ。 山口青年は民族派右翼団体の「統一戦線義勇軍」を昨年脱退し、以後一人で活動している。 座り込みを始めたのは昨日(26日)午後3時から。東電正門側の歩道に行ったところ警察官に取り囲まれた。 「あっち(車道をはさんで反対側の歩道)に行け」 17~18人からなる制服と私服のプレッシャーに山口青年といえども従わざるを得なかった】 「右翼」も、また日の丸掲げて再稼働反対をコールする人たちが首相官邸前に来ているのも事実です。一方、東電本店近くで、脱原発のデモ隊に罵声を浴びせるネトウヨもいます。 ▶発信箱:キメラ動物と再生医療=青野由利 【こんな議論を尻目に、現実にはお手軽な「再生医療」が横行している。安全性も効果も日本で未確認の幹細胞投与が福岡で多数の韓国人に行われていた話は驚きだ。以前から懸念はあったが、「医師の裁量」の下に野放しになっていた。日本は再生医療の規制が厳しく、うっかりすると海外に先を越される。よく聞く話だが、実際には「規制」と「無法地帯」が同居するちぐはぐな世界だったことになる】 【新政権は再生医療の推進や規制緩和に意欲を見せている。しかし、アクセルばかり踏んでいると思わぬ落とし穴にはまる。ブレーキもしっかり踏みつつ再生医療の将来像を考える。キメラ動物と移植の行く末を探る糸口も、そこから見えてくるかもしれない】 先日、iPS細胞を使っての研究―再生医療研究費の増額をとかというニュースが報じられていました。そのニュースに接したとき、大丈夫かと危惧を持ちました。正直、何やら胡散臭さを感じるのです。集まったとされる面々、「原子力の平和利用」との名のもとに飛びついた連中と同じ臭いを感じるのは取りこし苦労でしょうか。 ▶民主公約:TPP交渉参加盛らず「30年代原発ゼロ」明記 毎日新聞 2012年11月27日 20時42分(最終更新 11月28日 01時53分) 【エネルギー政策では「原発ゼロ社会」の実現をうたい、政府が9月にまとめたエネルギー・環境戦略に沿って「2030年代の原発稼働ゼロ」を明記】 「核燃料サイクル事業のあり方を見直す」とも。 ▶米国:英キャスター退去求め請願 銃規制反対派を罵倒 毎日新聞 2012年12月27日 21時48分(最終更新 12月27日 22時08分) この記事、見出しがわかりにくいです。というより変です。 何のことかと読むと、この英国キャスターがCNNの番組で、先の小学校乱射事件後、米国内で銃所持を規制する機運が高まっているなか、相変わらず、合衆国憲法修正2条が保障する「武装の権利」をもちだし、規制してはならないという連中──銃所持賛成団体に対して、「間抜けな連中」と声を張り上げたことに対して、銃所持賛成派がホワイトハウスのウェブサイトにこのキャスターを国外追放しろという署名が8万も集まっているというニュースなのです。しかし、とんでもない国です、アメリカという国は。 近頃、わかりにくい見出し、?が付く見出しが多いなと感じるのは私だけでしょうか。 ▶第二回 脱原発サミット in 茨城 東海村村長 脱原発をめざす首長会議世話人 村上達也 http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2670.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter | ||