原発通信 84号2011/10/20発行
「低温停止」「循環注水冷却」、どうも怪しいそうです ここへきて、福島第1原発1~3号機が冷温停止へ向けて進んでいるだの、東芝製の循環注水冷却装置サリーで順調などと報道されていますが、そもそもその言葉づかい、定義がいい加減というか捻じ曲げられているという記事が、東京新聞にあります(下記)。 また、またというか、今度は都内の茶─東京狭山茶からセシウムだそうです。セシウム、茶畑だけに降り注いだわけではないですから…。 ところで、週刊新潮ですが、新聞の広告見出しだけでの判断ですが、世田谷の放射線問題について「年間30ミリシーベルトを50年浴びた「女性」はガンになったか!」の見出しで、放射能ヒステリーへのアンチテーゼなどと書き立てています。ならば、そんな反脱原発派への姑息な言いがかりをつけるのではなく、放射能なんて怖くない、ほら30ミリシーベルトを50年間浴びても大丈夫ですよと触れ回り、むしろ政府や電力会社は不要な放射線対策に金を使い、無駄遣いをしていると「告発」すればいいのです。ためにするようなことを書くのが週刊新潮ですが。 細川元首相、「私だったら脱原発を鮮明に言います」 毎日新聞によると、野田が代表選に出る前に、細川と会ったとのことです。その際、旗印は鮮明にしなければと言い、国がなくなっての原発などありえない、脱原発を、と言ったようです。使い勝手がいいなどといわれているようでは…。 東大生が“静か”です 毎日新聞に川村湊氏が連載(「戦後日本の青春期」)しているのですが、その第16回からです。山本義隆氏が本(『福島の原発事故をめぐって──いくつか学び考えたこと』)を出したことにも触れ、その前に出た写真集『東大全共闘1968-1969』に寄稿した文を引いて言います。 【「過誤を犯し、それゆえ謝罪をしなければならないはずの教授会が、まるで慈悲をたれているかのように高みから恩着せがましく言うことによって、自分たちの責任を回避しようとしている。これほどひどい話はない」と書いた。「(東大医学部)教授会」を「(東大)原子力工学の教授たち」に変えれば、これは3.11以後の原発事故をめぐっての御用学者にそのまま適用できる。(略)原子力村の学者たちが、いかに罪深い研究とプロパガンダを行っていたかが明らかとなった。それでも、誰も、彼らに「自己否定」と「大学[学会=学界]解体」を突きつけようとはしない、40年の昔と違って。】(10月19日付)。 少し前にハーバードの教授(正義の話をしようの教授)の番組で原発を話題にしていました。東大生も出ていましたが、なんと物わかりのいい学生なのだという感じです。 溶けてしまった核燃料があまり漏れなくなったから「冷温停止」? 「冷温停止」という言葉、そもそも定期点検などで使う言葉で、水素爆発で吹っ飛び、メルトダウンしているような原子炉に対して使う言葉ではないとのことです。それを、捻じ曲げ、溶けてしまった核燃料があまり漏れなくなったことをもって「冷温停止」としたらしいです。また、1~3号機の温度が100度を切ったと報じられていますが、正確にはわからず、「圧力容器下部」の温度をいっている。それに対して元原子炉設計技師だった田中三彦氏がそもそも「事故を起こし、制御棒も入っていない原子炉の何を停止できるのか」と一笑。出来るのはせいぜい「冷温維持」だと。循環注水冷却についてもラインがぶつ切れで循環していないとも。 先日、東電が、炉心損傷が起きる確率を「五千年に1回」と計算していたことを書きましたが、事故前が100万年に1回としていたので、200倍も高くなっているのです。しかも、40年後に事故は実際に起きた! まさに、こんな数字に何の意味があるのか!です。津波にしても700年に1回どころか、400~600年に1回の割合で起きているという調査もあるのです。 東電、政府の使う言葉は要注意です!(東京新聞2011.10.19 冷温停止目くらまし) エネ庁ががっちり首根っこを押さえている安全・保安院 安全・保安院の予算が原発推進の総本山である資源エネルギー庁にがっちり握られているという記事です。これで、きちんとしたチェックなどできるはずがないでしょう。(東京新聞2011.10.19 エネ庁査定①②) 阿佐ヶ谷駅前での投票では8割が原発にノー! 「原発やめる?続ける?全国投票」がJR阿佐ヶ谷駅周辺で行ったとのこと。1時間15分ほどの357人が投票、8割が原発にノーとのことだったといいます。(東京新聞2011.10.19 エネ庁査定2) 原発問題ではありませんが、NHKラジオのニュースによると、ニューヨークの例の99%の人たちによる抗議行動ですが、ニューヨークのある大学が調査したところ、70%以上の人がデモも、抗議も、公園を占拠していることに対しても「理解」を示したと言います。 東京産の茶にセシウム、首都圏にホットスポット 東京狭山茶のセシウム検出ですが、武蔵村山、瑞穂町、あきる野市の茶園からだそうです。この周辺に結構降り注いだということなのでしょう。 首都圏でもホットスポットがあちらこちらで見つかっています。葛飾区では毎時5.47マイクロシーベルトを観測と。それに対して行政が対応できていない現実。 魚ですが、築地市場に入ってくる魚、築地では検査などしていないということです。グリーンピース、規制値以下でも測定値を表示するように要望したとのことです。(毎日新聞2011.10.19 葛飾で5.47μSv、同首都圏で相次ぐホットスポット/東京新聞2011.10.20 店頭の魚の数値を) 小型水車での発電 小型水車での発電、いいと思うのですが、水利権の問題などがあるようです。(東京新聞2011.10.20 手軽な小水力) 計画・建設中の原発計画通りに推進すると 懲りない連中というか、原子力中毒にかかっているというか、市場がなくなってしまうかもしれないという話なのに、それが理解できない「想像力欠乏症」の連中です。(東京新聞2011.10.20 計画通り推進) 原子力中毒患者、もう一人! http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111020-00000430-yom-soci 株価が下がったのは政府のせいだと訴えた弁護士がでたそうです。 小澤征爾さんの「自己批判」 「原発はすばらしい、地球を汚さないものだと信じていた。あのような事故を起こすとは知らず、本当に恥ずかしいことだと思っています」と話したとのこと。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111019/k10013356741000.html 北海道電力のやらせ問題、高橋知事の責任問題に発展か 九州電力と佐賀県の次は、北海道電力と北海道知事という話。(東京新聞2011.10.20北電やらせ) 気骨ある研究者・木村真三氏 朝日新聞を読まれている方が多いかと思います。そこで10月17日から連載が始まっています。「プロメテウスの罠」です。事故当初から、「隠し」が始まっていたということ。これに対し、今行動しなければ、棺桶に入っても後悔すると、勤めていた労働安全衛生総合研究所に辞表を叩きつけた人です。 | ||